国内唯一のフランス運河の旅紹介・案内サイト
いつもと違う旅をしませんか? そう、フランスで運河の旅をしませんか。レンタルボートは免許不要です!! 船長さんはあなた!
設備完備のレンタルボートは水上の動くコンドミニアム! 朝市で買った食材で料理をしたり、ミシュラン星のレストランで食事をしたり、ワイン、チーズ、郷土料理を楽しみながら、曳舟道を自転車で走り、町の骨董屋で掘り出し物を探す。土手に舫い、ロックを越えて。 フランス人は勿論ドイツ人もオランダ人もカナダ人もオーストラリア人も皆楽しんでいます。スロージャーニー、ハッピーライフ!
ロアンヌ運河と中央運河(2015年6月 平日5日間)
・6月20日土曜~21日日曜
日本時間2015年6月20日土曜日23:55に羽田を飛び立ち、CDGからTGVでLyonへ、さらに乗り換えて今回の運河航のベースとなる Digoin駅に着いたのは現地時間 6月21日日曜日14:15。時差が 7時間あって21時間20分の長旅。駅からほどない今日の宿 Le Relais du Canalou にチェックイン。小休止の後、我々の運河航のベースとなる Les Canalousへ。通常船の引き渡しは 16:00~ とされているところ、たまたま船の準備がすでに完了しているとのことで明日22日月曜 15:00引き渡しが可能、かつ宿のチェックアウト後、荷物を預かってくれる旨確認。Digoinの街散策。明朝食糧、飲料等を調達するマーケット確認。ホテルのレストランのテラスで夕食。まあまあの味ではあるが、いささか割高か。
・2015年6月22日月曜
チェックアウト後マーケットで食糧、飲料等を買い込み、ベース Les Canalousに一時預け。まだ十分時間の余裕があるので街中を散策。運河がロワール河の上を渡る Pont Canal下見。観光客、地元の住民、サイクリストが集まって結構賑やか。
15:00 ベースに戻り、一週間世話になる船の引き渡し。
Tarpon37N “Adonis” 全長約11m、全幅3m強、水面高約3m強(勝手な推測)。事務所で書類確認、船長およびクルー全員の署名、セイフティーデポ等手続き、船に乗り込んで始動・停止操作、機器・電気系統、トイレ・シャワー利用、水回りやガス設備等説明を受けた後、船尾に日本国旗を掲揚し、16:00 メンバー三人が乗り込んで出港。
今日は下流に向って Pont Canal を越え、しばらくしてから南へ折れてCanal de Roanne a Digoin (ディゴアン・ロアンヌ運河)を遡上、行けるところまで、という想定。船体の大きさに比べ舵が小さいためか舵利きが鈍く、慎重に操船。Pont Canal を通過、最初のロック。ロックキーパーは陽に焼けた活動的な女性。後続船があるので一緒にロックを通過しろとしばらく待たされるも後続船は現れず(ロックキーパー同士は電話で連絡しあっています。この場合は多分途中で係留したのでしょう。このような状況にならないように次のロックまでに係留する際はその旨ロックキーパーに伝えましょう。)、そのまま上扉を閉めて排水、下流水面と同レベルになったところで下扉を開け、下流水面へ進行。通過時に日本から持ってきたおかきをロックキーパーに渡すと、今まで仏頂面だった愛想が途端に好転。ロックを出たところは両岸も整備された気持ちの良い広い水面。しばらく進むと運河の三叉路。ディゴアン・ロアンヌ運河に入るべく取舵。ディゴワン・ロアンヌ運河は幹線を外れ、森と牧草地が続くいかにも鄙びた感じの水路。行き交う船も無く、また両岸に人影無し。間も無く今日二番目のロック。今度はオジサンのキーパー。心付けにピース一箱を渡すと破顔。無事通過して Au Revoir と叫ぶと 『次も俺なんだ・・・』 と車に飛び乗り先行。約 1.5km走って三番目のロック。キーパーのオジサンが待ち構えていてここも難無く通過。また Au Revoir と告げると 『いやいや、次もだ・・・』 で再び車中の人。約 1km走って四番目のロック。これはかなりの高低差。特別誂えの長いフックを使ってロープを受け渡し。無事通過。今度は三度目の正直 Au Revoir。交通量の少ない運河だからこれで通用するのかと納得。(この3つは本来無人・全自動の運河です。水辺ガイドのロック横の青点がそれを現しています!)時計を見ればこの段階で 18:00。全てのロックは 19:00以降は作動せず、運河の航行もその時間で途絶えるとのことで、そろそろ停泊地を探す必要あり。基本的にはロックや橋の近く以外はどこも停泊可能とされており、適当な場所にペグ(杭)を打って係留を考えるものの、両岸とも荒れていて飛び移るのもままならず。PK51ポイントを過ぎ、PK50ポイントやや手前の森の中に岸辺がしっかりした場所があるのを見つけ、メンバーの一人が飛び降りて係留作業開始。いままで人影の無かったこの運河には珍しく、やや前方に釣りを楽しむ家族連れ。その中の一人が駆けつけてくれてもう少し行けば(PK49ポイント近くに)係留施設があるとのこと。有難い情報。作業を中止して航行再開。約1km進んだ進行方向右側(河川・運河表示では左岸)に情報通りの立派な係留施設。水道、電気、トイレの施設あり。(水辺ガイドを見ましょう!)
18:45 係留。Digoinから約11kmの地点。周りは牧草地で近くに農家。他に係留船は無く、老夫婦のキャンピングカーが一台駐車。先ずは本日の航行を祝してビールで乾杯。片付けを終え、自転車で4kmほど離れた Chassenard村のレストランへ。 ところが村に着いてみれば目指すレストランは本日休業であることが判明。全員茫然。予め確認を入れておくべきだった・・・。近くにものを食べさせるところは無く、食料品を売る店も無し。Digoinまで戻れば食事にはありつけるだろうけれどもかなりの距離があり、暗い夜道を乗り切る力は最早無く、船に戻ってあるもので何とかしようと衆議一致、重い足取りで帰路。20:00 Adonisに辿り着き、食事の準備。空は未だ明るい状態。21:00 夕食。23:30 消灯。
・2015年6月23日火曜日
02:30 デッキを叩く雨音。しかし 30分ほどの通り雨。
03:30 近くの農家で雄鶏が鬨の声。これが二度三度どころか延々。目覚ましには早過ぎないか。メンバーの一人が 『さすがフランスの鶏は巻き舌・・・』 ほんまかいな。06:30 起床。未明の雨の名残で雲に覆われているものの、西から晴れる気配。
オヤジ三人夜明けのテ・オレ。色気の片鱗も無いがこれはこれで。
もともとはこの運河をもう少し南に進むつもりでいたが、別段固めたスケジュールがある訳でもなく、船の操作関連その他で幾つか気になるところもあることから 一旦 Digoin に戻ることを決断。09:55 離岸。係留場所から少し進んだポイントで反転。
運河の有効幅は15m程度、船の長さからすると結構スリリングな回頭。先日辿ったロック(第四、第三、第二番)には今日はキーパーが不在で、自分たちでロック開閉の信号索を牽き、ロープ・セット、ゲート開閉をしながら下流へ。(これらはロアンヌ運河の第8,9,10番無人ロックです。)頭上の雲は去って快晴。分岐点を過ぎ、11:55 Pont Canal手前のロックに到着。12:00~13:00 はロックが稼働しないのでアプローチ手前で係留、この時間を利用して昼食。この辺りには人通りも多く、船の脇を通り過ぎる人達と手を振って挨拶。
13:00 ロック通過。対向船が多いかと懸念していたがスムースにPont Canal 運河橋通過。13:30 Digoin ベースに帰着。諸々気になったところをメカにみてもらった後、14:45 航行再開。今度は東 Paray le Monial に向かって出港。約11kmの航程。越えるロックは三つ。並木が植えられた運河を優雅に航行。一番目、二番目のロック、いずれもキーパーはおらず、自分達で通過。三番目(Paray le Monial手前)のロックもキーパー無し。(これ等は中央運河の26,25,24番無人・全自動ロックです。)ロック・アプローチという時に左舷斜めの強い風を受け、バウ振れ。エントリーに失敗。何とかコースに戻り、ロックを通過して17:30 Paray le Monial 到着、係留地に舫い。片付け。18:10 自転車で買物に出発。18:35 買物から帰着。18:45 徒歩で夕食に外出。19:00 Bar le Quartz のテラスにて夕食。十分満足できる味。ワインも良し。21:00 完食。まだまだ明るい街を漫ろ歩いて21:20 帰船。23:00 消灯
・2015年6月24日水曜日晴れ。
この日も時間に余裕があれば東に向かってみるかという程度で、決めたスケジュールがある訳では無し。07:00 朝食。朝食途中に係留料徴収のオジサン来訪。10ユーロ。08:00 出港準備。操船上気になる点が出てきたのでメカに相談。10:50 出港。東に向かって遡上。11:10 最初のロックに到着。信号は赤。待機。いつまで経っても信号は変わらず、あるいはレーダー感知の信号かと前後を行ったり来たり。依然として信号は赤のまま。かなり長い時間待たされることになるので右岸(船左舷)接岸、ペグを打って係留。これは Central運河のロックが Montceau-les-Minesのコントロールセンターによって遠隔管理されており、我々がロックにアプローチする際に電話連絡を入れなければならないことを看過していたことが原因と後日判明。(水辺ガイドを見ましょう!)
12:00 今日はこれまでと判断、Paray le Monial へ戻りParay le Monialに係留後、自転車で近隣散策に出発。運河沿いを西へ昨日越してきたロック三つ分、東へ今日越せなかったロック一つ分サイクリング。17:35 船へ帰着。18:00 徒歩で夕食に。18:20 Restaurant de la Basilique にて夕食。今回の旅でテラスでない屋根の下での夕食は初めて。美味。ワインも十分満足。サーブしてくれたのが素敵なお譲さんで言うことなし。値段もリーゾナブルで値打ち。22:30 完食。実に美しく暮れなずむ街を歩いて23:00 船に帰着、就寝。
・2015年6月25日木曜日07:30 晴れ空の下、朝食。 係留料徴収のオジサン(昨日と同じ人)来訪。今日は何故か 『電気、水道使ってないのか、じゃぁいいや』 ・・・ 昨日払った 10ユーロは何だった?
08:30 街中散策に出発。徒歩。古くからの交通の要所ということで1200年代、1400年代の古い教会、城館。街中に花が咲き乱れ、美しい。今日はここ Paray le Monial で食材を買い込み、Digoin に帰着後船上で最後の晩餐と計画し、惣菜屋数店に目星。
ところがご当地習慣をすっかり忘れ、12:00過ぎに買い出しに出てみればいずれの店も昼休み。買い込み断念。
13:15 出港。街を出てすぐのロックにアプローチ。進入禁止の赤のサインで減速、係留が必要かと適当な場所を探しているうちに信号が青に変わって進入許可。前進。下りのロック通過は岸に降りてロープ確保となり、比較的楽。4m近くの高低差も難なくこなして次の水面へ。次のロックヘアプローチ。ロックを抜けたところで対向船とすれ違い。一昨日同様いずれもキーパーのいない自動ロックだったが、メンバーの息は合って実にスムースな運河航。
両岸には真っ直ぐに伸びるポプラの並木が連なり、右舷側(右岸)にはサイクリングロードが続いてサイクリストが手を振って挨拶。日射しはきついが乾燥した風が通って心地良い。いよいよ Digoinアプローチ、着岸準備。15:05 着岸、係留。本船には明日26日朝まで滞在するが、われらが Tarpon37N "Adonis" の航程はこれにて終了。デッキを清掃し、数日間の垢落し。幾つかの懸念材料もあり、航程そのものは想定したよりもはるかに短いものとなったが、それはそれで十分充実した時間だったとビールで乾杯。Digoinの街で食材、飲料を買い込み、予定通り船上でフルコースの夕食。充実。21:30 完食 22:30 就寝
・2015年6月26日金曜日 晴れ。
07:30 朝食。08:00 片付け、船内清掃。09:00 返船手続き。
散々メカの手を煩わせたにも拘わらず、何の請求も無し。
使用した燃料の請求も無く、いささか途惑い。 まぁ請求されなかったんだから良いか・・・と手続き終了。(燃料代はクルーズプラスに含まれています。)
とは言え次の人が気持ち良く使えるよう懸念箇所についてはきちんと申し送ろうとメカの親分をつかまえて伝達。
09:30 5日間船尾に翻った日本国旗をもとのフランス国旗に戻して退船。
正午ちょっと過ぎの電車で Moulins sur Allier経由 Paris Bercy駅到着。
市内で買い物の後 CDG空港へ。
深夜便で羽田に着いたのは 日本時間2015年6月27日土曜日 18:10
旅のヒント:
ロックが有人か無人か、手動かオートマティックかは運河を旅する船人にとって大きな関心事です。水辺ガイドはこれ等のことを教えてくれます。特にガイドの最初の数ページはその地方のロック、橋、港などに共通な重要事項を載せています。是非ご一読ください。
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