ミディ・カマルグクルーズ

ミディ運河・カマルグ 2週間クルーズ(2016年6月4日~18日)

『水に囲まれたシャンボール城』と報道する6月3日付けニース・マタン紙

クルーズコースの変更
今回のクルーズは南仏のカルノンのベースから出港し、ローヌ・セート運河、プティト・ローヌ川を通りリヨンまで遡り、リヨンからはソーヌ川を遡ってディジョン近郊のポンタイエのベースまで行く全航程580km、フランスの真中を2週間かけて南から北に走るリバークルーズの予定でした。しかしながら、今年のフランスの5月は天候不順、雨続きとあって、クルーズに出発する1週間前にセーヌ川、ソーヌ川、ローヌ川などのフランスの主な河川は増水のため航行禁止となりました。
このため我々もリバークルーズはあきらめて、ミディ運河とカマルグ2週間クルーズに変更しました。結果的には、これはとてもよい選択でした。というのも、6月になってもフランスの天気は定まらず、相変わらず全土で雨が降り続いていましたが、奇跡的に我々がクルーズしていた南仏のみは、天気に恵まれ暖かい陽射しが降り注いで、気持ちよいクルーズを満喫できたのです。

クルーズコース

6月4日(土):アグド→ビルヌーブ・レ・ベジエ
午後1時半、モンペリエ空港にて全員集合、A夫妻、YさんとKさんの女性二人組、S氏(男性一人で参加)と我々の総勢7人です。2時過ぎに頼んでおいたベンツのワンボックスタクシーが迎えに来て、荷物を積み込み出発。(フランスでは現在このVLCなる運転手付きレンタカーが大流行り。大型車がある。料金が事前に決まる。様々融通が利くなど利点があり日本からも予約可能です。)
3時20分アグドのベースに到着。フランス人スキッパーのジーノが待っていました。
船はTarpon 49 Quatre prestige。4キャビン+船首にスキッパー用の部屋があり、各キャビンはトイレとシャワー付です。ベッドメークもして有りました。ベッドの下が物入れになっているのでそこに空トランクをしまい、荷物の整理をしているうちにもう出港です。
オプションとして自転車4台と食料品バスケットを頼んでいましたが、食料品バスケットの用意が間に合わなかったそうで、翌朝碇泊地に届けてくれることになりました。とりあえず当日分のミネラルウォーターは持ってきていたので良かったです。
この日はビルヌーブ・レ・ベジエで碇泊。町の海鮮料理が有名なアンファン・テリーブル(恐るべき子供達)でウエルカムディナーです。無事出航を祝って、乾杯!
背広姿で迎えてくれるVLC ベテランスキッパー ジーノ 早速試運転 出港を祝ってウェルカムディナー

6月5日(日):ビルヌーブ・レ・ベジエ→フォンセラン7段ロック→コロンビエ
朝出港し、隣町のベジエ港に接岸。4人が自転車、残り3人は歩きで町の大型ショッピングセンターにあるスーパーに向かいました。Yさんが自転車に乗りたいと手を挙げたのですが、なんと自転車に乗るのは30年ぶりだったそうで、何度も転ぶので廻りははらはらして見ていました。スーパーで何日分かの食料品及びビールやワインや水などを大量に買い込み、自転車にくくりつけて乗らずに押して歩いて、何とか船まで荷物を運びました。車なしでのお買い物はちょっと大変です。
船に戻って買った食料品などを冷蔵庫に納め、改めて、町の中心広場にあるポール・リケ・の銅像を見に行くことにしました。
リケ像の前の広場で巨大ハンバーガーランチをとりました。
船に戻り、午後からミディ運河名物フォンセランの7段ロックに挑戦です。
フォンセランロックはロックが階段状に7段繋がっています。午前に一度、午後に一度ロック扉が開き、一方通行でロックを超えることができます。船は行列して、午後4時に上りのロック扉が開くのをじっと待ちます。まだ6月なので待ち行列はそれほど長くないのですが、これが7月8月のバカンスシーズンともなれば、早めに来て並ばないとロックに入りそびれて翌朝まで待つ羽目に陥ることもあるそうです。
やがてロック扉が開き、我等の船にはスキッパーとほかに男手が3人もいるので、何の問題もなく7段ロックを超えました。
今夜はコロンビエで碇泊です。
運河生みの親リケ男爵像 運河橋を渡ります 7段の途中流れもかなりきついです 大型ボートが3隻入ります

6月6日(月):コロンビエ→バンティニャック→ル・ソマーユ
コロンビエ港のレストランで優雅に朝食。9時出港。11時半にキャップスタンに到着。
運河に面したレストラン ラ・バテルリー(女船頭)にてランチ。
ランチ後出港し、バンティニャックの河岸に着け、まん前にあるワインシャトーへ。ワインを試飲し、上階のワインミュージアムを見学してから、船内用及びそれぞれの個人用にワインを買いました。
再び出港。ここから引き返してル・ソマーユまで戻り碇泊。
町をぶらぶら散歩していると、フランス女性に声をかけられました。「日本人ですか?」「はい、そうですよ。船でクルーズしています」「実はこの町に日本人が住んでいるので、あなた方のことを話してみますね」といって別れてゆきました。
町のアートショップにて、S氏(独身)が、今なお忘れ得ぬ初恋の君の面影を絵の中に発見し感激して、その絵を購入しました。後々みんなに冷やかされてなお、うれしそうにしていました。
船に戻り食事していると日本人女性がやってきて、船でアペリティフをご一緒しました。彼女はリタイア後の2年ほど前にここル・ソマーユに家を買い、家の手直しをしながら暮らし始めたそうです。町で唯一の日本人だそうです。港から5分ほどのところにある庭の広いステキなお住まいにご招待していただきました。これも何かのご縁だと、みんなで写真を撮り、メールアドレスを交換しました。
ミディ運河唯一のトンネルマルパス ミネルヴァワインカーヴは船着き場のすぐ前です 他生の縁で パンも買える運河の雑貨店

6月7日(火):ル・ソマーユ→ナルボンヌ
朝9時出港、ミディ運河を3kmほどアグド方面に戻ったところでジョンクション運河に右折します。この運河は5kmほどの間に7箇所のロックがあり、自分でボタンを押して操作するオートロックでロックキーパーは居ません。自転車を2台下ろし、交代しながら2人が自転車で次のロックに向かい、岸壁でのロック操作を行うことで、よりスムースにロックを通過して行くことができました。
ジョンクション運河から更にロビン運河を通りナルボンヌに向かいます。ナルボンヌ手前のロックでは運河岸のレストランでラテン音楽ライブが行われていました。ベサメ・ムーチョの軽快な音楽にのってロック作業もスムースに進みます。フランスで唯一 橋の上に家が建っているという大変珍しい橋が、ナルボンヌの町入り口で我々を出迎えてくれました。
女性陣のリクエストに答えて、ナルボンヌの町ではまずコインランドリーを探しました。洗濯に1時間半ほどかかるので、近くのレストランでランチ。期待以上の味。ワインとデザートまでついてたったの15ユーロ。太っちょマダムの作る郷土料理は本当に美味しかったです。初めての日本人客だとマダムも喜んでいました。
午後は自由行動。美容院に行く人、町を歩く人、船で休む人、それぞれの午後を過ごしました。
オートロック操作パネル・ボタンを押す順番が大事 さすがフランス、平日のランチはラテン音楽とともに フランス唯一の橋の上の家 評判の良かったマダムの手料理。デザートも ナルボンヌ食堂始まって以来初の日本人客と
 
6月8日(水):ナルボンヌ→ポアール
朝、町に出てカテドラルを見学。カテドラル前の広場には古代のローマ街道跡が残っています。いわゆる「すべての道はローマに続く」とローマ人が誇ったローマ街道です。
11時出港。再びロビン運河とジョンクション運河を通ってミディ運河に戻りポアールへ。
この日はかなりの距離を走ってポアールに午後8時半着。ここのレストラン ヴァンオーベルジュが美味しくて評判だというので、少々無理をしてここまで走りました。ジーノが予約してくれていたのでこの時間でも大丈夫。レストランはワインカーブと一緒になっていて、まず試飲して気に入ったワインを食事と一緒に楽しむ、というのがこのレストランの食事スタイル。噂に違わずとても美味しい料理でした。
ラ・メール シャルル・トレネはナルボンヌ生まれ 今晩はチキンの丸焼きです 思ったより幅の狭いローマへの道で Vin+Auberge=Vinauberge

6月9日(木)ポアール→フォンセランの7段ロック→アグド
朝、フランスの美味しい焼きたてパンが食べたいな、と誰かがつぶやいていたのをジーノが聞きつけて、毎朝パンを買いに行く役目を担うと申し出てくれました。クロワッサン、パン・オ・ショコラ、アーモンドパンをたっぷり、ランチやディナー用にバケット、その他この土地でしか売っていないというパンなども買ってきてくれます。ジーノに感謝!この日から毎日、美味しいフランスの焼き立てパンを味わうことができました。
この日は再びフォンセランの7段ロック越えです。8時半に出港。10時半到着。午後1時からの下りの行列に一番乗りです。ロックの畔を歩いて降りると7段ロックがよく見えて面白いのですが、ちょうど岸が工事中で歩くことができず、ちょっと残念でした。
午後ロックが開いたところでまず観光船が入り、次に扉が開いたときに我々の船は入りました。一緒にロックに入ってきたフランス人の船は夫婦2人の小さな船です。2人ではロック作業も大変そうなのでロープを受け取ったりとお手伝いしてあげて、とても喜ばれました。
無事ロックを超え、更に走って6時半アグド着。川向こうのカフェで軽めの夕食。
ジーノベーカリー いつでも助け合い 女性も頑張ります  運河に泳ぐこいのぼり
 
6月10日(金)アグド→マルセイヤン(トー湖)
午前中、アグドベースでシーツとタオルの交換、またトー湖横断に備えてエンジンの出力アップをしてもらっている間に、ジーノのトラックに乗せてもらい近くのスーパーに食料品の買出しに行きました。12時前に出港、トー湖の港町マルセイヤンに向かいます。
もう一つのミディ運河名物 17世紀以来ずっと使われ続けているというアグドの大円形ロックを通り、エロー川をかすめ、トー湖に至るミディ運河の最後の区間を抜けてゆきます。運河の両側には水深の浅い池(シギが池の真ん中に立っているのを見ると水深4cmくらいかな?)が広がっています。
マルセイヤントー湖の入り口の港町。港でランチ。時間が若干遅かったので、タパスを何品かとってみんなでシェアしていただきました。美味。
午後になると風が出てきてトー湖のクルーズは少々危険と判断し、本日はそのままマルセイヤンに碇泊。午後は三々五々に町を散策、ショッピング。船内にて夕食。
トー湖への水路で馴らし運転 トー湖を行くセイリングボート トー湖のリゾートマルセイヤン フランス流おもてなし

6月11日(土)マルセイヤン→メッツ(トー湖)→フロンティニャン
この日はサンライズクルーズを予定。朝トー湖に昇る朝日を鑑賞して7時出港。9時メッツ着。
市役所前の中央広場でフリーマーケットをやっていたのでぶらぶら眺めながらお買い物、またマルシェ市場が開いていたので食料品も買いました。
船に戻った後、ジーノの友人のゴムボートを借りて全員が乗り、牡蠣養殖の専門家の案内で牡蠣棚を見学に行きました。トー湖は淡水と海水が混ざっているので牡蠣の養殖に適している、等の説明を聞き、牡蠣棚を間近で見学してから船に戻ります。コルシカの出身だという牡蠣の専門家マークさんが自分のところで養殖した牡蠣を持ってきてくれていて、むいてくれたので、白ワインをお供に全員で味わいました。まだ生きているという牡蠣は大変美味。
ジーノがゴムボートを返す前に全速力で走らせて遊ぼう、と提案し、3人限定で乗れるというので、私たち夫婦とK さんが手を挙げてしばらくゴムボートで楽しみました。
牡蠣を食して約1時間後、A 氏が牡蠣にあたったらしく、下痢と嘔吐に苦しみだしました!。幸いマダムYは女医さんです。A 氏の様子を見ながらも、4時に出港、ローヌ・セート運河を進みフロンティニャンに向かいます。
フロンティニャン橋は上下可動橋で一日2回しか開きません。翌朝のフロンティニャン橋の開く時刻に備えて橋の手前で碇泊。船で夕食。
セートの上に日が昇るトー湖の朝焼け メッツのフリマ カキ養殖について話す専門家マーク氏 上下可動のフロンティニャン橋

6月12日(日)フロンティニャン→エーグ・モルト
8時15分出港。8時半に橋が開くと無事橋の下を通り抜けました。A 氏も朝には回復!!。昨晩の苦しみがうそのように元気になっていて一安心です。
1時半にエーグ・モルト着。A夫妻 及びマダムY・マダムKのお二人が、たまにはホテルでゆっくり過ごしたいというので、町の4星ホテルを予約。全員で町に出てランチ。その後ホテル組と船組に分かれます。
午後は自由行動。サン・ルイ広場の教会でイベントとしてコーラスをやっていたので、しばらく歌声を鑑賞しました。13世紀にここから十字軍が出発した、と教会入り口にかかれていました。
湖岸の漁師小屋 エーグモルトの港 エーグモルトの象徴コンスタンスの塔 エーグモルトを拓いたサン・ルイ 名産ガンバ大エビ

6月13日(月)エーグモルト碇泊
この日はピンクフラミンゴの見学サファリを全員で予約しています。アン・ソフィーさんが9時半に駅前に迎えに来てくれていて、ジープでピンクフラミンゴを見学に連れて行ってくれます。彼女はピンクフラミンゴの研究者で本も出版しているそうです。いろいろフラミンゴの生態を教えてくれました。ピンクフラミンゴは北アフリカから渡ってきて、夏場はここカマルグで子育てをし、その子育ては保育園で集団保育だということです。面白いですね。またカマルグにはカロチンを含んだ藻が自生していて、その藻を小エビが食し、更にその小エビをフラミンゴが食すことによってフラミンゴの体がピンクに染まるそうです。ジープサファリの後彼女の家に行き、YさんとKさんは彼女の本を買い ,サインをしてもらってとても喜んでいました。私は鳥類の本を買いました。
午後は自由行動。三々五々に13世紀の城砦やコンスタンスの塔を見学したり、ショッピングを楽しんだり。ホテル組は町で、船組は船にて夕食
こんな湿地帯が続きますカマルグ ソフィーの案内でサファリーへ 砂地でもブドウは育ちます ピンクフラミンゴ ソフィーとカマルグ湿原 

6月14日(火)エーグモルト→カルノン
A 氏、ジーノと我々の4人が乗馬を予約しました。残ったメンバーは町でショッピング。
タクシーで乗馬クラブに向かいます。約2時間の乗馬散歩。カマルグの白い馬に乗り、森の中を行き、水の中にも入り、途中でトロー(黒い牡牛)の群れが道をふさいでいるのに遭遇したりしました。あっという間の2時間でした。楽しかった。
午後出港、カルノンへ。カルノンのベースに碇泊。
港でジノが持参したペタンクをジーノの指導の下、遊び方を教えてもらってみんなで遊びました。ペタンクはフランスの国民的スポーツです。どの町に行っても広場ではペタンクに興じる人々の姿が見られます。ルールはカーリングに似ていて、2つのチームに分かれ、鉄球をなるべく的の近くに投げるというとても単純な遊びです。けれどもこれが案外難しく、投げる際に戦略も必要なら、その戦略にそって投げる技術も必要とされます。
夕食は港のシーフードレストラン ゼンで。
水の中も進みます2時間の乗馬コース 乗馬クラブの先生 サラブレッドとは違うカマルグの白馬ラスコー壁画の種に近いとか カマルグの女性カウボーイ Zenの焼きホタテ 

6月15日(水)カルノン→フロンティニャン
8時出港。ローヌ・セート運河の途中でマグローヌカテドラルに寄ります。ここは運河沿いの湖に浮かぶ小さな島。かなたに地中海も見えます。島を廻るかわいらしいプティットラン(白い小さな観光電車)に乗るとカテドラル付近まで連れて行ってくれます(歩いても15分ほどですが)。創建は5世紀にまで遡るフランスで最も古い美しいカテドラルです。
運河とビルヌーブ・レ・マングローヌの町との間にかかる橋は、いかだの上に歩道橋が載っていて、船が来るとモーターを作動させて横に開く橋でした。
フロンティニャンに到着、午後4時の開橋時間を待ちます。橋をくぐり、橋の先で碇泊。行きと同じ場所です。今度は明朝のセート橋の開橋を待ちます。船で夕食。
橋の途中でモーターを起動し開閉させる非常に効率的な橋です 世界最古のカテドラル? 5世紀の雰囲気が漂います 何時からいるのでしょう?

6月16日(木)フロンティニャン→セート
8時半出港。トー湖から回りこんでセートの橋の手前で10時半の開橋時刻を待ちます。ここの橋は勝鬨橋の様な開閉橋で自動車道路と鉄道の2本の橋が架かっています。大きな橋が2本同時に持ち上がってゆく様はとても壮観で記憶に残る光景でした。待っていた船が通り終わるや否や 速やかに橋は閉まります。ちょっと時間に遅れた船は午後まで待つことになるそうです。
町のツーリストオフィスに行き町の地図をもらい、Tシャツなどを買いました。通りの海に面したレストランでランチ。ランチ後解散
Yさん、Kさん、A夫人の女性3名はシャンソン歌手ジョルジュ・ブラッサンスの家(エスパス・ブラッサンス)と20世紀の詩人ポール・バレリーミュージアムの2箇所を見学したいと急いでタクシーで向かいます。A氏とS氏の男性2人は港を散策すると出かけました。船具店がお目当てのようです。私たち夫婦はブラッサンスの家だけを見学予定なので、バスに乗ってみたいと、のんびりバスで向かいます。
ブラッサンスの家では、各展示室、各展示物の前に立つと自然にブラッサンスの歌がヘッドホーンから流れてきます。舞台の前に座るとスクリーンにライブ映像が映し出され、ヘッドホーンの音楽を聴いているとまるでライブの場に居るような臨場感で、大変楽しく長い時間をここで過ごしました。フランスを代表するシンガー・ソング・ライターは「歌詞は様々考え、1曲で1冊のノートを使い切ることも度々あった」そうです。CDを一枚買い、近くのブラッサンスの墓にお参りしてきました。
夕方再びペタンクの試合をしました。その後船で夕食。
2本の可動セート橋 日に2回開きます エスパス.ブラッサンス 結構はまるペタンク

6月17日(金)セート→アグド
10時半にセート橋の下をくぐり、トー湖に向かいます。行きにトー湖を渡りカマルグで過ごしていた間の何日間か、トー湖は強風のため航行禁止になっていたので、私たちもアグドまで戻れるかどうか心配していましたが、幸いにもこの日は、午前中は風も弱まり航行に支障はないとのことです。ジーノが『奇跡的に2~3時間だけが風が落ちる。まるでモーゼの出エジプトだ。』とほっとしたように言いました。トー湖の真ん中で、行きにゴムボートを貸してくれたジーノの友人オリビエ夫妻が再びゴムボートでやってきて、メッツ特産のアーモンドパンを差し入れてくれました。船にあがってもらい、みんなで乾杯しました。無事エジプト(?)を出たあとは流れのきれいなエロー川を1時間ほどクルーズし、午後4時半アグド到着。これで今回の2週間クルーズは終了です。
今夜はフェアウエルディナー。ジーノが美味しい店を見つけてくれました。ラドミラルというエロー川沿いの水上レストランです。みんなで乾杯して楽しかったクルーズを締めくくりました。
終着ベースアグド 南仏名物船上槍試合練習風景 フェアウエルディナー 旅の解散場所モダンなモンペリエ駅舎

作者:ベテランスキッパージーノ

6月18日(土)
朝荷物をまとめ、タクシーでモンペリエ駅に向かいます。行きと同じタクシー(VLC)の運転手さんは、ちょっと寝坊してしまったと時間に遅れてやってきましたが、早めの時間を予約していたので事なきを得ました。
モンペリエ駅から、S氏と我々は先のTGVでディジョンに向かいます。A夫妻とYさんKさんはその後のTGV でパリへ。
名残惜しいですがここで解散です。

川の増水のため直前にクルーズコースが変更になり、ドタバタしましたが、出発後でなくて幸いでした。お天気にも恵まれ、2週間の長期クルーズを楽しめたのは、楽しいメンバーが揃い、和気藹々と過ごせたからでしょう。メンバーの皆様に改めて感謝!

Zino by Mme K

今回のクルーズには、大変ホスピタリティーに富んだスキッパー ジーノが同行してくれていました。ジーノが地元の美味しいレストランや4つ星ホテルの予約を取ってくれて、よさそうな乗馬クラブを探してくれて、毎朝パンを買いに行ってくれて、ペタンクの指導をしてくれて・・・とジーノの貢献によるところ大でした。漫画に出てくる船長さんのイメージそのままの風貌のジーノに感謝!
旅のヒント:トー湖は横幅15~16Kmの湖ですが、牡蛎の養殖棚が陸寄りの岸辺一面を占め(もちろん進入禁止です)、海側は水深の点から航行禁止域となっています。即ち航行中風が吹くと逃げ場がありません。このこともあり、風速が25Km/h(7m/s)以上となると航行禁止となります。かなり頻度は高いようですので出港前にまずはマルセイヤンのハーバーオフィスに風況を確認しましょう。
今回はフランス人スキッパーがいて且つ時間的にも余裕がありましたのでアグドからカマルグを訪ねましたが、セートとフォルティニャンの橋の開閉時刻にスケジュールを合わせるのは結構大変です。カマルグを訪ねるのは、これらの橋を通らないカルノンからがお薦めです。

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