世界遺産クルーズ

ここではフランスに数多くある世界遺産を運河から訪ねるクルーズコースを紹介します。最寄りの運河の港に碇泊すれば、場合によっては自転車で訪ねることもできますし、ホテル予約や宿泊費も不要となります。
またタクシーやレストランの予約・相談等にはコンシエルジュサービスをご利用ください。月曜日から土曜日までの9AM~12AMと2PM~5PMの間、3ヶ国語(英・仏・独)による電話対応のコンシェルジュサービスがあり、このサービスはプレミアムクラスのボートには無料で付いています。
さてフランスには文化遺産(34)、自然遺産(3)、複合遺産(1)あわせて38の世界遺産が有ります。中でも遺産として登録されている対象物が多いのが1999年登録の『フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路』でしょう。ここで登録されているのは、巡礼路の一部区間と、巡礼路の途上にある主要な歴史的建造物群であり、他の世界遺産の物件と重複するものもあります。

I.まずこの巡礼路について見てみましょう。

四巡礼路

モン・サン・ミシェルとその湾:比類ない美しさでフランスのみならず世界的にも最も人気のある聖地・観光地です。

ヴェズレーの教会とその丘:マドレーヌことマグダラのマリアの聖遺物に詣でる巡礼者で賑わうサント・マドレーヌ・バジリカ聖堂は12世紀建立のロマネスク芸術の至宝。巡礼路の1起点でもあります。

サンテティエンヌ大聖堂とヴァラントレ橋:巡礼路の途中となるカオールにあるフランス最大のドームが特徴の12世紀建造の聖堂とヨーロッパで最も美しいといわれる要塞橋。これら世界遺産のあるカオールの隣村が実はフランス人が最も好きな村なのです。フランスには22の地方がありますが、各地方代表として1つの村が選出され、この22の村の中で「フランス人が選ぶ好きな村」の投票が2012年フランスのTV局により実施されました。約70,000人の投票者数があり、栄えある1位に輝いたのが隣村サン・シル・ラポピーです。ロット川渓谷の断崖に張り付くように中世の家々が立ち並ぶ小さな村ですが交通の便が良くありません。是非ともカオールからのロット川クルーズで訪れましょう。
巡礼路沿いの世界遺産はこちら

II.次に、フランス語では正午、南を表す、Midi ミディ。即ち南フランスの世界遺産を訪ねましょう。
①『見ずには死ぬな』とまで言われた、ヨーロッパ最大規模の城塞コンタル城の残るカルカッソンヌ。地中海、イベリア半島、ヨーロッパ諸国を結ぶ要衝の地であり、紀元前3世紀から砦が築かれていました。夜、オード川の船上から眺めるライトアップされたシテの姿は絶品です。

運河の旅を今日楽しめるのは17世紀ベジエに生まれた徴税吏ピエール・ポール・リケが15年の歳月をかけ大西洋と地中海を結ぶミディ運河を完成したことに負います。輸送航路を3,000km短縮させたこの成功が他の運河掘削の機運を起こしました。ヨーロッパ運河の歴史そのものでしょう。1996年世界文化遺産に登録されました。難工事であったであろうフォンセランの7段ロックを通るクルーズを楽しみましょう。

③1986年ラムサール条約(水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に登録されたカマルグ湿原地帯。日本最大の釧路湿原の5倍近い10万ha。ピンクフラミンゴ、白馬・黒牛の放牧、稲作水田、塩田などで有名な野生の楽園は自然保護地域に指定され外周の一部以外は許可を得た研究者しか入れません。湿原の縁を通る運河の船上から夕日に染まるカマルグを眺め,翌日は馬に乗りガイドツアーを楽しみましょう。
ミディの世界遺産はこちら

             サン・シル・ラポピーのロック