フランスの運河

水路(運河と河川 )

ヨーロッパには5万キロにも及ぶ水路(運河及び航行可能な河川・湖)があるといわれており、その中心的存在となるフランスの運河網は約9,000Kmにも及びます。代表的な運河としてはナント・ブレスト運河(全長364Km),ガロンヌ運河(298Km),ブルゴーニュ運河(242Km), ミディ運河(241Km)等があります。
またローヌ川、ロワール川、ガロンヌ川、セーヌ川等の河川も運河と繋がり北海から地中海へ、大西洋から地中海へなどの長距離の物資輸送や船旅等に利用されています。

でもここでご紹介する水路は商用船も少なく、航行できる期間も限られている国によりプレジャー用に開放されている運河、あるいはそれらに繋がる流れの極めて緩やかな河川・湖です。
フランス全水路図  昼下がりのミディ運河  運河から行けるサンシルラポピー

水辺ガイド

Les guides fluviaux EDB(BREIL社発行)

フランス全土の水路地図・ロック・港・航路情報・周辺の町・レストラン・観光名所情報などに関するフランスで最も権威のあるガイドブックです。フランス語、英語、ドイツ語の3ヶ国語で書かれています。5万分の1(1cm=500m)のスケールで全航路が途切れること無く詳細に描かれており、しかも初心者レベルでの注意事項を書いてくれています。
フランス全土を大きく次の5地域に分けています。
 1.中央部及びブルゴーニュ  2.南東部   3.南西部    4.西部  5.北部及び東部

運河全国区分図 運河クルーズ必携水辺ガイド ガイドのページ,Digoin付近
ヒント:水辺ガイド無しでは全くの手探りクルーズになってしまいます。当然、ボートにはその地方のガイドが整備されています。しかし10m以上もあるクルーザーを運転しながらガイド(仏・英・独語)を読み解いていくのはかなり大変です。予約完了後に送付されてくる水辺ガイドには日本語訳も付いていますので訪れる運河の研究:ロックは何箇所か、有人・無人、自動・手動、補給地・・・をしておきましょう。もう旅は始まっています。

運河紹介

では各地域の運河・河川の特徴を代表的な都市と共に紹介しましょう。

1. 中央部・ブルゴーニュ(代表的な都市: ディジョン、ブザンソン、オーセール) 

ブルゴーニュ

ソーヌ川

美味しいワインをお探しの方に
ソーヌ川(La Saone)
ソーヌ川クルーズはロック(閘門)の数も少なく自然を満喫できるコースです。ブルゴーニュ運河からドーブ運河、マルヌ川とソーヌ川をつなぐ運河と、歴史豊かなフランシュ・コンテ地方のクルーズのもうひとつの楽しみは美味しい郷土料理。ポシューズ(pochoouse)と呼ばれる料理は淡水魚を煮込んだブイヤベーズに似たとびっきりおいしい料理です。ブルゴーニュのワインとともにどうぞ。
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セイユ川(La SEILLE)
セイユ川はソーヌ川の支流で、ブレス鶏で有名なブレス地方を流れていきます。両岸の穏やかな田園風景とこの地方特有のコロンバージュ(maisons à colombages)と呼ばれる様式の木骨造りの家が目を惹きます。1980年に水鳥などの自然保護水域に指定されたラ・トルシェール(la Truchere)では沼、湿地帯、泥炭層、苔むす砂丘など変化に富んだ地形がモザイク模様をなして広がっています。流れはやがてソーヌ川と合流してサントネイや南マコンなどのブルゴーニュワインの葡萄畑が姿を現します。

ブルゴーニュ

ブルゴーニュ南部
ロアンヌ(Roanne)運河、中央(Centre)運河、ロワール(Loire)運河
ディゴワン(Digoin)は運河クルーズの中核をなすベース。シャロル地方の真中に位置し、白牛で有名な町、3つの運河の交差点です。
ディゴワンから南コース、ロアンヌ(Roanne)-ディゴワン運河は、“静かなる運河”と呼ばれています。ブリオンヌ平野の岸辺に舫い、木陰を楽しみながら、ロワールの流れに沿ってゆったりとクルーズします。
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東コースはロワール川とソーヌ川をつなぐ中央(Centre)運河クルーズです。ブルゴーニュ地方に残るロマネスクアートの陶器で有名な町、パレ・ル・モニアル(Paray le Moniale)の谷を抜け、マランジュやコート・シャロネーズの葡萄畑に至ります。
北西コースは、ロワール川に寄り添う運河をクルーズして、ブルボン王家縁の地を通り、歴史と芸術の町ドシーズ(Decize)やヌヴェール(Nevers)に至ります。
ロワール渓谷 ~ 南ニヴェルネ
ニヴェルネ運河(Cl du Nivernais)
シャティオン・アン・バゾワから出発するニヴェルネ運河クルーズは美しい小さな村とシャトーと谷と丘と森の間を縫って行きます。ドシーズはローマ時代の面影を残す美食の町です。ドシーズからヌヴェールに向かえば、そこにはサンセールの葡萄畑が広がっています。

モルヴァン地方(Morvan)
ニヴェルネ運河 
クランジュ・シュル・ヨンヌ(COULANGE-SUR-YONNE)から出発するニヴェルネ運河クルーズはモルヴァン自然公園の夢のように美しい風景の中を行きます。18世紀末に作られた、モルヴァンの森から首都パリまで続くこの歴史と伝統に彩られた運河をクルーズするとき、運河の歴史に思いをはせることとなるでしょう。
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ロワール

トネール地方(Tonnerre)
ブルゴーニュ運河(Cl de Bourgogne)
トネール(Tonnerre)から始めるブルゴーニュ運河クルーズは見所満載のコースです。かわいらしい村、歴史ある教会、修道院、シャトーやファームなどが次々に姿を現します。プィイ・アン・オーソワ(Pouily en Auxois )村では3.33kmにわたる長いトンネルを通り抜けます。トンネルを抜けるとその先には、あの有名なシャブリやプィイなどのブルゴーニュワインの葡萄畑が広がっています。ここではもちろんワインの試飲というお楽しみが待っています。

2.南東部( リヨン、アビニヨン、カルカッソンヌ)

南東部

ミディー運河

プロバンスの太陽をいっぱい浴びて
ミディ運河(Cl du Midi)
太陽をいっぱいに浴びながらのクルーズを楽しみたい方にはミディ運河がお薦めです。地中海と大西洋の二つの海をつなぐミディ運河は17世紀に14年の歳月をかけてピエール・ポール・リケ男爵(1604~1680)により造られました。アグド(Agde)に残る楕円形ロックとユネスコ世界遺産に登録されている優雅なロマネスク様式のアーチ橋は当時のまま今なお使われ続けています。中世の町並みの残るアグドから、またはカタリ派の里オンプ(Homps)からクルーズに出発します。両岸のプラタナスの並木の木漏れ日の下、時には岸辺の小道を自転車で散策したり、歴史的建造物を訪ねたり、美味しい郷土料理を食べたり・・・ミディ運河での忘れがたい思い出となるでしょう。
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カマルグ

カマルグ地方(Camargue)
ローヌ運河(Cl du Rhône)
大地と水が分かちがたく入り組むカマルグ大湿地帯。ここは自然と神話に満ち溢れています。広がる塩沼地と自然公園は自然保護地域に指定され、さまざまな希少動物の聖域です。ピンクフラミンゴ、雄牛の群れ、野生馬などが生息し、350種類以上の渡り鳥が営巣します。船に乗ったままでサファリ写真集が完成するでしょう。
広いトー湖(Etang de Thau)クルーズはちょっとした冒険の旅です。ここでは海のクルーズ気分を味わえるかも・・・
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3.南西部(ボルドー、コニャック、ツールーズ)

南西部

シャラント

シャラント川(Le Charente)
フランスで最も美しい川です
シャラント川はロワール川とガロンヌ川の間を、アングレム(Angouleme)からコニャックの葡萄畑を横切り大西洋へとゆったり流れます。ここはコニャックピノー(コニャックベースのアペリティフ)の国です。古いコニャックの蒸留所と貯蔵庫を訪ねれば、この神の与えたもうた酒精の秘密が解き明かされることでしょう。シャラント川の流域にはルネッサンス期のシャトーとロマネスク様式の教会がちりばめられています。
バイーズ川(Le Baise)
食通にお奨めです
ガロンヌ川沿い運河やバイーズ川のクルーズは夢のように美しい景色の中を行きます。美味しい郷土料理を味わいながら、ガスコーニュ人になりきって、この美しい風景を心行くまで堪能してください。
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アキテーヌ

ロット川(Le Lot)
美食のふるさと
魅力あふれるロット川はフランスでも最も美しい川のひとつと言われています。石灰岩の崖、樹木に覆われた丘、洞窟、ドルメン(先史時代の巨石遺跡)、美しい村、シャトーや中世のモニュメントなど、様々な表情を持つ風景が次々に現れてきます。ここは美食で有名です。カオールのワインと一緒にいただくコンフィ(鴨のもも肉)やフォアグラなど得もいわれぬ味です。2007年7月にはロット川クルーズが、サン・シル・ラポピー(St Cirq Lapopie)を通りラルナゴル(Larnagol)まで10km延長されました。
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4.西部(サンマロ、ブレスト、ナント)

西部

ブルターニュ

ブルターニュ地方(Bretagne)
神話と伝説とお祭りの地
ナント・ブレスト運河(Cl de Nantes)
ルドン(Redon)から出発してブルターニュを西に、大西洋に向かってクルーズします。
ここではブルターニュのクレープを忘れず味わいましょう。シードル(りんご酒)やミュスカワインで味付けした郷土料理(アルモニカ料理)、たとえばオマール海老のグリルなどもとても美味しいです。毎日が新鮮な驚きに満ちています。

アンジュとロワール地方(Anjou-Pays de la Loire)
マイエンヌ川(Le Mayenne),サルト川(Le Sarthe),ウドン川(L'Oudon)
歴史や文化に彩られた3つの川の流域を300kmに渡りクルーズします。マイエンヌ川クルーズはフランスで最も美しいコースのひとつです。北に向かうと緑の樹木に覆われた丘や谷を抜け、シャトーラヴァル(Laval)を過ぎると川は少々荒々しくなり土手の勾配もきつくなります。南に向かえば、川の流れは穏やかになります。
サルト川流域にはたくさんの美しい村が点在します。権力王ルネの町アンジェ(Angers),ソレム(Solesmes)修道院、陶器で有名なマリコルヌ・シュル・サルト(Malicorne-surーSarthe)、自動車と航空機の町ル・マン(Le Mans)と続きます。サブレ(Sable)に寄って有名なサブレ(ビスケット)を味わうのをお忘れなく。

5.北部・東部(ストラスブール、ナンシー、ランス)

アルザス

アルザスの家とインクライン

アルザス地方(マルヌ・ライン運河、ローヌ・ライン運河)
至福のときをお約束します
アルザス(Alsace)
マルヌ川(Le Marne)とライン川(Le Rhin)を繋ぐ運河のクルーズは森と沼地の間を縫って行きます。ダボ(Dabo)とファルスブール(Phalsbourg)の岩山を過ぎたら、サン・ルイ・アルヴイエ(Saint-Louis Arzviller)とルツェルブール(Lutzelburg)間のインクラインに乗ってみましょう。これは斜度41%、全長128mのヨーロッパ唯一の横向きインクラインで、船やペニッシュなどを乗せて上ります。インクラインを超えると緑の谷とホップ畑と古代の遺跡が次々に姿を現します。アルザスの州都ストラスブールはフランス第7の都市です。ストラスブールの名前の由来は<道・街道の町>。美しい旧市街はイル(Ill)川に囲まれています。ノートルダム大聖堂(ゴシック建築の粋)、メゾン・カメルツェル(Maison Kammerzelle)(歴史をタイムトラベル)、プティット・フランス(運河沿いに白壁に黒い木骨組みの家が立ち並ぶ地区)、ポン・クヴェール(Ponts Couverts:屋根つき橋)など旧市街を散策してみてはいかがでしょう。

アルデンヌ

アルデンヌ(Ardennes)地方
アルデンヌ運河
アルデンヌの運河をクルーズすれば、手付かずの自然や美しい村に出会います。レフール(Laifour)の“Dames de Meuse”(ミューズ川の貴婦人たち)をご存知ですか?アルデンヌ地方では今も自然の貴婦人たちが君臨し、ミューズ川の美しい流れの光景に皆さんをいざなうことでしょう。砂糖のタルトやレテル(Rethel))の白ブーダンソーセージ、ストゥネ(stenay)のベルギー風ビールはもちろんですが、シャンパンを味わうのもお忘れなく。
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