ソーヌ川クルーズ (2015年6月 1週間)

クルーズコース

2015年6月中旬、ソーヌ川を1週間クルーズしました。
土曜日午後、ポンタイエ・シュル・ソーヌのカナルー社のベースに到着。レンタルするボートはTriton860Fly、キャビンが一つだけのかわいらしい船です。キャビン・トイレ・シャワールームが各一、サロン・キッチン・操船席が船内にあり、第2操船席がデッキにあります。コンパクトですが、とても使い易い船です。トイレは電動です。
荷物を船に積み込み、ベースの技術者から簡単な操船講習を受け、いよいよ出港です。
ベースの技術者はとても親切で、ロックについてもいろいろ教えてくれました。
本日はオーソンヌまで18kmのクルーズです。ここら辺りはまだプティット・ソーヌ川(小ソーヌ川)と呼ばれている辺りですが、小という名前から想像していたよりずっと川幅は広く、雄大な眺めでした。ガリア戦記のシーザーがどちらに流れているかわからないといったようですが、見えないながら流れに乗り船足は確実に早まっています。多分10Km/Hほどでしょう。

サン・ジャン・ド・ローヌ遠望

オーソンヌの手前にある最初のロックは、ロックキーパーの居ない自分で操作する自動式ロックです。ロック作業を起動させるにはロック手前でぶら下がっている竿を船から手を伸ばして3/4右に回します。信号が青に変わるまで10分程度待ちます。信号が青になり、ロックに進入するとその広さにびっくり。私たちの借りた船なら10艘が縦列しても収まりそうなほど長いロックでした。そこにぽつんと1艘だけ。壁に有るスライド式ボラールにロープをかけてから、岸壁に降り、ロック作業起動用の棒を押し上げました。やがてロックが作動し、ロック内の水かさが減ってゆきます。あ、船に戻らなければ!あわてて飛び移ります。間に合ってよかった!!
オーソーヌ港に着岸。キャプテンリーに行こうと桟橋のおじさんに尋ねると、ここだよと自分の船を指差しました。隣の浮きはしけ(?)がキャプテンリーでした。トイレもシャワールーも完備してました。繋留費は水、電気、シャワーなど込みで1晩10€です。
オーソーヌは若き日のナポレオンが兵学校で砲術を学んだ地です。町の広場にはナポレオンの像が建ち、港には軍事拠点だった昔を偲ばす城砦跡が残っています。
ポンタイエベースTriton 860Flyオートロックのねじり棒広ーいロック!オーソンヌが見えてきたはしけキャプテンリーノートルダム寺院とナポレオン像第511輜重連隊兵舎の風見ドイツへ続くローヌ・ライン運河への入り口ロック

翌日曜日はオーソンヌから出港、オーソンヌの町外れにまた自分で操作するロックがありました。コート・ドールの中心都市サン・ジャン・ド・ローヌで停まってランチ。ソーヌ川畔には町の名前と同じ洗礼者ヨハネ(サン・ジャン)教会があり、ヴェズレーからスペインに続く巡礼者の道ともなっています。小さいけれど綺麗な町でした。午後はサールまでクルーズして停泊。1晩12.5€。
月曜日、朝から雨が降っています。キャプテンリーに行き増水の状況などを尋ねると問題ないとのこと、サールからシャロンへ向かいます。サールからは同じ川でも名前が変わってソーヌ川となります。ますます広く湖のように思える川です。もう一回り大きい船でも良かったかと思いました。
途中パリのデパート、『ボン・マルシェ』の創始者マダム・ブシコーが寄贈した、貧困の幼少時代夢見たソーヌ川の対岸の村と故郷の村を結ぶ石橋(第二次大戦中ドイツ軍により破壊され、現在は鉄橋となっている)の跡を眺めシャロンに向かいます。雨が上がり、シャロンではサン・ローラン島の島陰にあるハーバーで停泊しました。1晩12.90€。
サン・ジャン・ド・ローヌ港売ります。1996年製、75,000€洗礼者ヨハネ教会1826年に水運関係者が奉納した28門の大砲を備えたガレー船マダム・ブシコー橋礎石は今も使用されている増水目印 Iでプレジャーボートは航行禁止岸辺では小雨のなか牛がノンビリ満杯でしたシャロンの港サン・ヴァンサン大聖堂と広場洗礼者聖ヨハネ:サン・ジャンワインの守護神サン・ヴァンサン

火曜日、シャロン観光です。シャロンはブルゴーニュワインの中でも、コート・シャロネーズとして日本でも知名度が高いワインの町です。大聖堂もワインの守護神サン・ヴァン・サンをお祀りしています。シャロンはまた写真を発明したニセフォール・ニエス氏Nicephore Niepceの生まれ故郷で、その時代の写真機などを展示している、彼の名を冠したミュージアムと、川底から引き上げられたローマ時代の遺物を展示しているドゥノンミュージアムDenonがあります。でも残念ながら火曜日はミュージアムの定休日でした。
サン・ローラン島を散策した後、大聖堂広場で昼食、午後から出港。トゥルニュを目指します。トゥルニュは人口7,000人の本当に小さな村。でもなんと4軒ものミシュラン一つ星レストランがあるという、フランスでも稀有な村です。
夕方到着、停泊。船で夕食後、町を散歩しました。この季節、フランスは昼の時間がとても長く、午後10時近くになってようやく村は夕闇に包まれ始めます。地方の村のこと、暗くなると人通りも少なくなります。そんな時、二人の若者とすれ違いました。「今日は!」と声をかけると「今日は!」と返事が・・・続いて「え、あれ?今日はって日本語ですよねー?日本人ですか?」お互いちょっとびっくりして立ち止まりました。
聞けば、この町の一つ星レストラン グルーズで修行中のシェフの卵くんと、彼を訪ねて遊びに来ているパリで修行中の卵くんの二人連れでした。日本人が立ち寄ることの少ない田舎町のこと、日本語が懐かしかったらしく話が弾みました。立ち話もなんだからとバーを探したのですがすでに営業終了の店ばかり、結局船にご招待してワインなど飲みながらお話し、木曜日にグルーズでランチをする約束をしました。トゥールニュで一度はどこかの星レストランに行くつもりだったので、これもご縁だからとグルーズに決めました。ただ、今日はまだ火曜日、グルーズは火・水曜日と定休日なので今日と明日と2晩ここに停泊することになります。

 

水曜日、今日は一日トゥールニュの町を散策します。町の観光局の向かいが10世紀創建の聖フィリベール修道院。地下には9世紀の部分も残っており、中庭は写真を撮るのに最適です。隣のお土産屋やお店を冷やかしているうちにランチの時間、レストランを探しました。水曜日は休みの店が多く、開いている店も満席が多く、、、やっと見つけた小さな店ではおじさんが一人で立ち働いていて、奥さんは出かけていると、汗を拭きながら一人で大わらわでした。時間がかかるよ、といわれたけれど構わないから、とのんびり待っていたら、思いがけず、とても美味しいランチでした。ミシュランの星レストランが4つも揃っている町では、きっとお客たちの舌も肥えていて、他のレストランでもつられて美味しい料理を出すようになるのかも(本日の定食:12.5€)。。。
トゥールニュの町アザミ(?)面白いマコンまで30Kmの嘗ての曳船道はサイクリング専用道レストラン・グルーズとフィリベール教会この辺りは川幅も広い

グルーズ 村の花嫁 1761年作

午後からは施療院〈ホスピス)を訪ねました。ここブルゴーニュ地方の施療院といえばボーヌが有名で世界遺産にも登録されていますが、このトゥールニュの施療院もボーヌに負けず劣らず歴史ある立派な施療院です。男性部屋、女性部屋、兵士の部屋と別れていて、部屋の両壁際にはベッドが並んでいて、往時のホスピスの様子が偲ばれました。ホスピスの上階はグルーズの名前を冠した美術館になっていて、絵画も楽しめます。
そうそう、ジャン=バティスト・グルーズ Jean-Baptiste Greuzeは18世紀のフランスの画家。宮廷風俗を描いた同時代の他の画家と違い,市民生活に題材を求めた風俗画を多く描き、当時はラファエロの再来かと絶大な人気を誇っていました。ここトゥールニュの生まれです。町の広場にはパレットを持って立つグルーズの銅像が飾られています。

パレットを持つグルーズ像歴史あるフィリベール教会中庭ステンドグラスセイユ川は水鳥保護区

木曜日は午前中サイクリングを楽しみました。川沿いに続くサイクリングロードをソーヌ川とセイユ川の分岐点辺りまでサイクリングしました。運動不足の解消です。
いよいよお待ちかねのランチタイム。
グルーズはランチタイムはドレスコードもなく気軽に入れますが、それでも短パンはなし、女性はそれなりにおしゃれをして来ています。とっても素敵な雰囲気のお店。ランチは49ユーロ(7千円強)のコースメニューでアペリティフやワインを頼んでも一人1万円くらいです。リーズナブルなお値段ですよねー。さすがにグルーズ!名に恥じないお料理の美味しさと、盛り付けの美しさに圧倒されました。美しい盛り付けを画像に収めたかったのですが、こんな店では誰もカメラを持ち出したりしません(外人観光客の姿はあまりなく、ほとんどが常連のお客さんのようでした。)ちょっと恥ずかしくてカメラを取り出すことができませんでした。最後のコーヒーだけ写真を撮りましたけど。。。
本当に美味しいランチを満喫して、廊下の脇が調理場になっているので、窓からのぞいて、先日の日本人未来の巨匠を呼んでもらって改めて握手しました。支払いの際グルーズのマダムに聞くと、彼はよく働くと評判も上々のようでした。
午後から久しぶりの出港、キュイズリーを目指します。
午前中サイクリングした行程をなぞり、トゥルシェールの分岐点でセイユ川に入ります。
セイユ川はソーヌ川よりは川幅が狭く、川らしい川でした。セイユ川のロックは最初のロックだけロックキーパーがいて、続く3箇所のロックは無人です。手前の浮き桟橋で乗員が一人降りて自分で操作します。

lghtbox2=group,水鳥保護区の白鳥の親子本の町キュイズリーへようこそ!名産ブレス鶏町の中に有るルーアンの港150もの店が並ぶルーアンのアーケード

金曜日、キュイズリー村を散策。ここは〈本の街〉として有名です。小さな村にたくさんの古本屋さんが並んでいて、本屋さんを見て回るだけでも楽しい村です。このような<古書店>の村がフランス全土に4村あるそうです。グーテンベルグ式の印刷機を展示してある店もありました。店の定休日で閉まっていて、手に触れられないのが残念でした。
午後から出港、最終目的地ルーアンに向かいました。ルーアンはブレス鳥の産地として有名なブレス地方の中心の町です。またフランスでは珍しいアーケード街があり150店以上のも店が並んでいます。
旅のヒント:ソーヌ川は商用船行きかう大河です。人数にもよりますが船種としてはTarpon37など以上の大きめな船がお勧めです。ロックも広くロック作業時には救命胴衣の着用が義務付けられているロックもあります。またソーヌ川クルーズではトゥールニュの町は外せません。人気があり繋留桟橋は満杯になります。この場合は手前(上流)の岸壁に接岸しましょう。ほかの船もみなしていますので間違えないでしょうが、河川では舳先を上流に向けて繋留しましょう。キュイズリー村は大変長閑な猫の多い村です。東京の神保町を歩いているようです。フランス語はチョットと云う方も、書籍以外に古い写真、絵葉書、ポスターや古地図など思わぬお宝を見つけられるかも知れません。ぜひ訪ねてみてください。
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